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脳梗塞の病気情報

脳梗塞

脳梗塞とは、頭の中の血管が細くなったり血栓などが詰まったりすることで、脳の一部に血液が届かなくなってしまうことにより、脳がうまく働かなくなってしまう病気である。急激に片方の手足が動かなくなるようなタイプや、じわじわと認知症が進むタイプなど、症状の出方はさまざまである。

脳梗塞の記事

タマネギ・赤ワインの効果は? 動脈硬化のQ&A

病気に対する疑問や不安に、横浜市立大学大学院医学研究科 循環制御医学 主任教授の石川義弘先生が答えてくれる「教えて! 石川先生」。第2回の病気は、「動脈硬化」です。動脈硬化とは、どんな症状の病気なのでしょうか?動脈硬化は、病的に血管が硬くなることをいいます。酸化して変性したコレステロールがプラーク(塊)となって沈着することで、血管に炎症が起こります。そこがこぶのように膨らみ、最後には血管が詰まってしまうのです。血管が硬くなるだけであればそれほどの問題にはなりませんが、変性したコレステロールがたまって血管をふさいでしまうと血液が流れて行かなくなり、その先の臓器が壊死(えし)してしまいます。脳でそれが起これば脳が脳梗塞、心臓で起これば心筋梗塞ということになります。動脈硬化の原因とされるコレステロールとは、どのような物質なのでしょうか?コレステロールは、実は人間の細胞膜の主要成分で、細胞を守ったり外部の物質やエネルギーを出入りさせたりという重要な働きを支える、生物にとって絶対に必要な物質なのです。さらに、コレステロールは、男性ホルモン・女性ホルモンといった性ホルモンの原料でもあります。つまり、体の中にコレステロールがなかったら、われわれは、男であったり女であったりすることはできません。男らしさ、女らしさをうみ出しているのは、コレステロールなのです。どうして、コレステロールは悪者扱いされているのですか?コレステロールそのものが悪いのではなく、コレステロールの素となる脂分をとりすぎることが問題なのです。しかし最近は、脂肪分0の牛乳やヨーグルトも売られています。アメリカでスーパーマーケットに行くと、「コレステロール0」を掲げた食品が山のようにあります。コレステロールには、善玉(HDL)、悪玉(LDL)という2種類があります。LDLは肝臓に蓄えられたコレステロールを全身に配分する役割、HDLは血液中の余分なコレステロールを肝臓に回収する役割を負っています。悪玉コレステロールと呼ばれるLDLですが、LDLがなければ全身にコレステロールが行き渡りませんから、細胞膜も、性ホルモンも作ることができません。問題なのは、とりすぎることです。どうして、コレステロールは酸化したり変性したりするのでしょうか?酸素がある場所では、当然「モノ」は酸化します。われわれ人間は生命を維持するために、酸素を体の中に取り入れています。酸素に触れたコレステロールは「酸化」、つまりさびてしまいます。さびたコレステロールは形が変わります。これが「変性」です。酸素を使って生きているわれわれ人間は、体の中で酸化や変性といった障害や副作用が起こるのを避けることができないのです。また、二酸化炭素を吐き出すときには、細胞の中に、ATP(アデノシン三リン酸)というエネルギー物質がため込まれるのですが、同時に毒をもった酸素、スーパーオキサイドも作られてしまいます。このスーパーオキサイドは活性酸素の一種で、酸化させる力が非常に強いので、コレステロールやたんぱく質・細胞などは、次々と酸化、変性してしまいます。最近、「酸化ストレス」という言葉を耳にすることも増えました。酸化ストレスは、呼吸により体の中に発生した活性酸素が原因です。老化にも、体の構成成分の酸化、変性が深く関わっているといわれています。しかし、もし酸化ストレスを完全になくそうと思うのであれば、呼吸をやめなければなりません。動脈硬化の原因 Q&A40歳以上の日本人のほとんどが動脈硬化の危険因子をもっているといわれています。人類の歴史のなかで、これだけ多くの人類がコレステロールを持て余すようになったのは、ここ数十年の話です。石器時代には、肉を食べようと思ったら狩りに行かなくてはなりませんでした。1カ月の間毎日狩りに出ても、獲物が捕れるのは何日もなかったという話を聞いたことがあります。日本も数十年前までは毎日の食事にさえ困っていて、こんなに簡単に肉を食べることなどできなかったはずです。石器時代の人も昭和の人も、コレステロールをとろうと思っても、そう簡単にはとれなかったのです。しかしここ数十年、肉やチーズなどの乳製品が簡単に手に入るようになったことで脂分を容易に摂取できるようになり、多くの人は、コレステロールをはじめとする栄養分をとりすぎるようになりました。また、脂分などコレステロールそのものをとらなかったとしても、人間の体には糖分からコレステロールを生成する機能がありますから、基本的には食事のカロリー量や摂取する栄養素の量をコントロールすることが必要になります。つまり、現代の時代に生きる私たちは、年齢に関わらず、動脈硬化の危険因子をもっているということになります。食生活も生活環境も、明治・大正・昭和の時代に戻ることができれば、動脈硬化の心配をしなくて済むのですがね……。若い人は動脈硬化にならないって本当ですか?確かに若い人は、動脈硬化にはなりにくいですね。年と共に動脈硬化になる人が増えていることは間違いありません。しかし、若いからといって絶対にならないわけではありません。DNAが酸化してがんになってしまうこともありますから、定期的に検査はしたほうがよいですね。ストレスは、動脈硬化にどのような影響を与えるのでしょうか?ストレスは、人生のスパイスです。よいストレスもあれば悪いストレスもあります。新しい仕事場で新しいプロジェクトが始まって、これまでに経験したことがないくらい勉強したり、話したこともないような人と交渉したりしなくてはならないとします。このようなできごとは強いストレスになるかもしれませんが、うまくいけばとてつもない喜びを感じることもあるでしょう。でも、悪いストレスが続くと、メンタルだけでなく、高血圧や動脈硬化、糖尿病と、体にも悪い影響が起こります。大切なことは、そのストレスが自分にとってプラスなのか、マイナスなのかを見極めることです。そう申し上げると難しく感じるかもしれませんが、実は意外に簡単で、多くの場合、ストレスを感じる時間で判断できます。ストレスにさらされる時間が短ければ体への影響は少ないですし、逆に長い時間ストレスにさらされ続ければ、メンタルにも体にも強いダメージを与えることになります。また、「失恋と厳しい仕事」「離婚と残業が続く仕事」といったように、全く異なったストレスが同時にかかっているかどうかも、ダメージの大きさを判断する基準となります。個人差はありますが、ストレスはうつ病といった心の病だけでなく、高血圧や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こし、時には命を奪ってしまう可能性さえあるのです。動脈硬化の治療 Q&A動脈硬化に効果的な治療方法はありますか?いったんたまってしまったコレステロールのこぶを薬で除去するのは至難の業です。除去できるとしても、時間がかかります。おそらく世界で一番使われているのは「スタチン」という、悪玉コレステロール(LDL)を作る酵素を阻害する薬です。この薬を飲むと、確かにコレステロール値がグッと下がります。余談ですが、アメリカのトランプ大統領も「スタチン」を飲んでいることを公表しています。「スタチン」を飲むとコレステロール値は下がります。しかし、動脈硬化が進んでしまった理由はコレステロール以外にもあるということを忘れてはいけません。例えば、運動不足の人がたくさん食べてストレスをためれば、さまざまな原因から起こる結果の一つとして動脈硬化が進みます。高血圧や糖尿病でも同じです。つまり、すべての原因を見ることなく、コレステロール値が高いということだけを治療しても、他は解決していませんから、われわれの体にとってよいことではありません。「スタチン」が登場したのだって、せいぜい今から30年前です。これから60年、70年と「スタチン」を飲み続けたとき、どのような結果が待っているかは、今の時点ではわかりません。コレステロール値が高い人が「スタチン」を飲み続けることはもちろん必要です。しかしそれ以上に大切なことは、その人の食生活や運動、ストレスなども含めて気を付けることです。高血圧と同じですね。どのような検査で動脈硬化を発見することができるのでしょうか。一つは超音波検査です。動脈の壁が厚くなっていたり、コレステロールがたまって硬くなったプラークができていたりするところが見られます。健康診断や人間ドックのオプションにある頸(けい)動脈の超音波検査がそれに当たります。頸動脈は、体の表面に一番近い太い血管ですから、非常に検査がしやすいのです。また、上向きに寝た状態で、同時に四肢の血圧を測る「血圧脈波測定」という方法もあります。いわゆる「血管年齢」を調べる方法です。自分が動脈硬化であることにはなかなか気付けません。初期の動脈硬化に症状はありませんから、なかなか自分では気付きにくいでしょうね。症状はなくても、動脈硬化を起こしやすい危険因子はあります。血圧やコレステロールが高い方や、糖尿病の方などは、動脈硬化になりやすいことは間違いありません。「気付いたら血管が詰まっていた」では手遅れですから、危険因子をもっている方は、動脈硬化がどの程度進んでいるかを診断するため定期的に採血し、頸動脈の超音波検査をしたり、脈を測定したりすることをお勧めします。動脈硬化にならないために、自分でできることはありますか?定期的に運動することで、ある程度、しなやかな血管を取り戻すことはできます。高血圧の治療 Q&A でも触れていますが、もう一度お話ししましょう。血管は、縮まった状態が続くと硬くなって、血圧が上がりますが、血管がしなやかになれば、血圧は下がります。血管は、自らの拡張・収縮を制御する能力を備えていて、血管の先の筋肉で酸素が必要になると、それを感知して、自ら広がりしなやかな状態を作ります。運動をすると、筋肉にはたくさんの酸素が必要になって、血管は自ら広がります。つまり、人間が定期的に運動すれば、血管も定期的に自らを広げる練習をすることになります。そして、血管を広げるときには、私たちが血圧を下げるために飲んでいるどの薬よりも優秀で、性能のよいホルモンのような物質を出していることがわかっています。運動するだけで、治療効果の高いお薬が、自分で、しかもただで作れるわけです。実践しない手はありませんよね。動脈硬化のウワサ Q&A毎日1杯のオリーブオイルが動脈硬化の抑制に効果的だと聞きました。「地中海ダイエット」に代表される地中海沿岸地方の食事には、植物性脂肪の油である「オリーブオイル」が多く使われています。脂自体の摂取量は変わらないのに、動物性脂肪を多くとるアメリカ人に比べて、オリーブオイルを主とする地中海沿岸地方の人びとには、動脈硬化や心疾患、肥満の人が少ないというのです。オリーブオイルの摂取以外にも、抗酸化作用の高い赤ワインを飲むことで、動脈硬化を抑えることができるといいます。今から15年ほど前、「フレンチパラドックス」として話題になりましたが、「フランス人は、チーズやバター・肉など動物性の脂を好み、カロリーの高い食事しているにも関わらず、ヨーロッパの他の国に比べて動脈硬化の人が少ない」と報告されています。抗酸化作用が高い赤ワインをたっぷり飲むフランス人は、体の中のコレステロールの酸化が抑えられ、動脈硬化になりにくいというわけです。赤ワインは健康に効果があるということですか?「酒は百薬の長」というように、赤ワインに限らず、少量のお酒はHDLコレステロールを増やすといわれています。350ccのビール1缶(純アルコール換算で20cc)が1日の目安です。最近は、お酒の値段が極端に安くなり、手軽に飲めてしまうので、飲み過ぎる人も多くなりました。ビールより赤ワインのほうが体によいといわれますが、ビール好きな人に赤ワインを飲めというのも酷な話です。それよりも量を守ることのほうが大切な気がします。タマネギをたっぷり食べると血液がサラサラになるのでしょうか?「紅茶キノコ」から始まって、今までさまざまな健康法が話題になってきました。しかし、医学的に効果があるかどうかはわかりません。タマネギの効果を確かめるなら、何百人、何千人の人の半分は、決められた量のタマネギを食べる。残りの半分の人は一切食べない。それ以外の食生活はすべて同じ、という条件の下で比較する大規模臨床試験を実施しなければ、医学的に証明はできません。一般的には、タマネギだろうと、紅茶キノコだろうと、酢コンブだろうと、100人に食べさせれば、4、5人「よく効く」という人がいてもおかしくありません。それを健康雑誌で紹介すると、全員に効果があったように受け取られてしまうんですね。動脈硬化の人は、「果物は食べないほうがいい」といわれています。健康によいといわれる果物ですが、果糖という糖分エネルギーが含まれていますから、とりすぎれば動脈硬化に悪影響を与えます。しかし、「野菜をよく食べる」「果物をよく食べる」ことは、どこの国の人にも例外なく「よい」と、世界保健機関(WHO)も推奨しています。野菜も果物も、何万年も前からずっと食べ続けられてきました。もちろん、健康によい影響を与えるからですが、逆に考えると、われわれ人間の体は、何十万年、何百万年前から地球上に存在していて、食べ続けてきたものに適応して発達してきたはずです。もしそれが、体に悪いものだったら、気の遠くなるくらい長い間、食べ続けてくることはなかったと思います。インタビュー・文:たなか みえ/イラスト:浅海 司

石川 義弘

2018.5.30

脳梗塞の治療事例

舌のもつれ、右手の麻痺。一過性脳虚血発作と診断

脳梗塞

50代

男性

2018.8.17

半年前から、食事中にお箸を落としてしまったり、人と話しているときにろれつが回らなくなったりするようになった。 しかし症状は長く続かず、数分安静にしていると治るため、「きっと疲れがたまっているせいだろう」と考えて放置していた。

左手に一時的な脱力。今後脳梗塞を発症する危険も

脳梗塞

60代〜

男性

2018.6.26

町内会の定例会合を終え、妻と2人で夕食をとっていると、突然左手に力が入らなくなった。今までにも指先が動かしにくいことはあったが、肩から先に全く力が入らないのは初めてだった。様子を見ていると徐々に症状は改善し、就寝時には全く症状はなくなっていた。不安になったので妻とも相談し、翌朝近くの大きな病院を受診することにした。

心房細動からの脳梗塞。血栓溶解療法で劇的に改善

脳梗塞

60代〜

男性

2018.5.28

朝6:00ごろ起床し、トイレに行こうと歩き出したところで足に力が入らなくなり、その場に倒れこんでしまった。呼びかけても、言葉にならない声を発するばかりで意識が混濁しているようだった。

発症後6時間が経過。カテーテルで治療を行った

脳梗塞

60代〜

女性

2018.5.28

夕飯のあと台所で洗い物をしていたところ、突然右腕と右足が動かなくなり、しゃべることもままならならなくなった。ガタンという音に異変を感じた夫が台所をのぞいたところ、倒れている妻を発見。慌てて救急車を呼んだ。昼間ならドクターヘリを呼べるとのことだが、夜間であったため救急車での搬送となり、近くの脳外科がある病院に着くまで4時間を要した。

持病の心房細動が原因? 血栓溶解療法は適応外

脳梗塞

60代〜

男性

2018.5.28

いつもどおり起床し、特に変わった様子はなかった。8時ごろ外出した妻が昼過ぎに帰宅し、床に倒れている夫を発見した。意識がもうろうとしているようだったので、妻が救急車を呼び、救命救急センターに搬入された。

薬で溶かした脳の血栓。できた原因は心房細動?

脳梗塞

60代〜

男性

2018.5.28

朝食をとったあとお茶を飲んでいたら、突然崩れるように椅子からずり落ちたので、妻が慌てて救急車を呼んだ。強く揺さぶると辛うじて目を開けるという状態であった。

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