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produced by市民・患者のための健康・医療コミュニケーション学会

谷口先生の感染症講座

シリーズ別記事一覧

【谷口先生に聞く新型コロナの疑問】冬に向けてどうなる?流行・収束の見通しは?

これから先、特に冬になると、風邪やインフルエンザなどの感染症が流行します。そのころ、新型コロナの流行はどうなっているのでしょうか?そのなかで、どのような心構えが必要になってくるのでしょうか。国立病院機構三重病院の谷口清州医師に聞きました。コロナ問題は一挙に解決しないコロナが今後どうなるかは誰にもわかりません。少なくとも言えることは、このウイルスはかなり人類に適応しており、共存関係に近づきつつあるということです。今もどこかで無症状の人がウイルスを保持しているわけですから、今後も散発的に患者は発生しますし、もしも人から人への感染が容易な密接した状況であれば、クラスタとなって多くの患者が出るかも知れません。多くの識者が指摘しているように、「冬になったらまた大きく流行する」のは想像に難くありません。インフルエンザも同時に流行するとすれば、症状から診断することが非常に難しくなりますので、地域での診療や院内感染対策に課題が生じます。また、インフルエンザウイルスについては、「気温が高くなると飛沫粒子中のウイルスの安定性が落ちるので、感染伝播効率も落ちると」いう動物実験の報告もありますので、暑くなると少し流行が緩和されるという可能性はあります。しかし、これまでところ熱帯地域でも流行はありますので、正直なところ、どうなるかはわかりません。ハーバード大学では、このような外出自粛を伴うロックダウン状態が断続的に2022年まで続くという論文が発表されました。一挙に解決するというより、今の非日常がだんだん常態化してくると考えたほうがいいと私は思います。「司令塔」はきちんと情報発信を現在、コロナに関する情報は非常に錯綜しています。本当は厚生労働省や国立感染症研究所がオーソリティ(豊富な知識と信頼性)をもって、きちっとワンボイスで情報を伝えていくべきだと思います。それができていないから、いろいろな方がさまざまなことをお話しされ、余計に情報が混乱するのでしょう。健康危機管理でもっとも大切なことは、英語で言うところのCommand & Control System(コマンドアンドコントロールシステム:指揮・統制システム)、すなわち、科学的な基盤に基づいて迅速に明確な対策決定と実行のできる司令塔機能です。今後も日本政府からのしっかりした情報発信が、ますます大切になると思います。そうでなければ、私たちは、今後も情報の信頼性を確認しながら、取捨選択をしなければならなくなってきます。まとめコロナがどうなるかは誰にもわからない。「今の非日常がだんだん常態化してくる」という心構えが必要。本来であれば、コロナの情報は国がしっかり出すべき。我々は情報を鵜呑みにせず、信頼性の評価を。

谷口 清州

2020.6.11

【谷口先生に聞く新型コロナの疑問】検査の基準があいまいな日本では、患者数の増減を比較できないってホント?

5月25日、緊急事態宣言が全面解除されました。これらの判断は、毎日新規に報告される患者数のデータをもとに行われています。しかしながら、これらのデータは信頼できるのでしょうか。国立病院機構三重病院の谷口清州医師に聞きました。患者数のカウント方法を決めるのは「症例定義」まず、「患者数が増加した」「減少した」と言うためには、一貫した方法で患者数をカウントしなければなりません。今回のコロナウイルス感染症は、症状の幅が非常に広くて、無症状の方から、風邪症状程度、軽症の肺炎から、人工呼吸が必要な重症肺炎まで様々です。故に、どの範囲の患者さんをカウントするかをきちんと決めて、継続して同じ方法でカウントしていないと比較が出来ないことはあきらかです。どのような人を調査・検査の対象にするか決めるのは「症例定義」です。症例定義とは、「このような症状があったら、病院は患者が新型コロナ感染症であることを疑って、PCR検査を含む必要な対応をしなければならない」という基準のことです。基準を満たした人に対して検査を行うことによって、患者を確定して、カウントしていくのです。シンガポール、台湾、韓国、ドイツなどでは、国が症例定義をしっかりつくっています。重要なのは検査数よりもブレない症例定義と監視体制の強化日本の場合、2020年2月末の時点ではおそらく比較的重症の肺炎がありそうな患者だけを検査していましたが、ここのところ徐々に軽い症例でも検査するようになってきています。症例定義がブレて、広がっているのです。そうすれば、1日の患者数が増えるのは当然です。こういう場合、患者数を減らすための施策を行い、実際に患者数が減っていたとしても、軽い症例をカウントする分だけ患者数は増えるかも知れません。患者数の比較を行おうとすれば、2月末と現在が同じ症例定義でカウントされる必要があるのです。また、ある症状を呈する症例について、東京では検査を断られるのに、ほかの地域では検査してもらうということもあるようです。検査対象となる症例定義が一貫していないと、異なる都道府県間で患者数を比較することも不可能です。途中でブレてしまった日本の症例定義「日本は患者数が少なくて、どこそこの国は多い」という議論や「日本の患者数が少ないのはPCR検査の数が少ないからだ」という言い方もあります。しかし、国によって症例定義が異なれば比較は出来ませんし、症例定義が一定でないと、患者数の増減についても何も言うことはできません。現にほかの国と日本ではPCR検査の対象となる症例は異なっており、そうなれば、検査数や報告される患者数も違ってきます。今やるべきことは、日本国内において、ブレない症例定義をもって持続的に症例数を把握し、患者数が減ったか増えたかを確実に評価することです。幸運にも、今のところ患者数は以前に比べて減少しています。これはみなさんが非常な努力をして自粛生活をしていただいた成果だと思います。しかしながら、終息したわけではなく、今後も散発例やクラスタは起こると思います。大事なことは、患者数が非常に多くなって、再び緊急事態宣言をしなければならないような状況にしないことです。もう一回1カ月間の自粛生活を余儀なくされれば、日本の社会はより大きな影響を受けるでしょう。そうならないためには、新しい感染者が出たら早期に探知して、即座に感染拡大を防止する措置をとることです。火が出たとしても、ボヤの状態で消し止めて、決して大火事にならないようにすることです。これを実現するには、今後は一貫した基準で患者数の増減を評価できるように、かつ早期に新たな患者を発見できるように、明確な症例定義を作成することが必要です。それだけにとどまらず、2重、3重のサーベイランス(※1)体制を敷く必要があります。(※1)サーベイランス:感染症などの病気の発生・流行状況を監視すること。また、それにより、対策方針を決めるためのデータを収集・分析すること。具体的な話をすると、まず第1段階では明瞭な症例定義を作成し、可能な限り早く患者を発見して対策を行います。そうすれば拡大を最小限に抑えられるのですが、この第1段階で患者を見逃した際には、その患者は他のヒトに感染させてクラスタを形成するかも知れません。そこで、第2段階としては、医療機関や施設などで症例定義を満たす患者さんが2例以上出た場合に即座に検査を行います。クラスタが形成されたこの段階で見逃せば、これは地域に広がります。もしそうなってしまった場合に備えて、第3段階として、地域における上気道症状患者の増加を把握して対応に結びつけるのです。このように、可能な限り感染者を早期に見つけて対策を行うために、2重、3重の監視体制を敷いて対策を講じる。そして、死亡者数については超過死亡(※2)で評価するなど、戦略的に流行状況を把握していかないと、流行状況に合わせた対策を取るのは難しくなると思われます。(※2)超過死亡:予測される死亡者数と比較した場合の、増加分の死亡者数。要するに、今回の新型コロナ流行による(想定の)死者数のこと。統計学的な手法で「新型コロナが流行していなかった場合の死亡者数」を出し、実際の死亡者数と比較することにより導き出す。まとめどのような症状の人を調査・検査の対象とするか定めた基準を「症例定義」という。症例定義が一貫していなければ、患者数の増減について議論はできない。今後は、明確で一貫した症例定義を使って流行状況を把握し、2重、3重の監視体制を敷くことが大切になってくる。

谷口 清州

2020.6.9

【谷口先生に聞く新型コロナの疑問】ワクチンはいつできる?治療薬はいつ見つかる?

現在、世界中の製薬会社などで開発されているワクチンは120種類以上と報告されています。(5月22日時点)すでに治験を行っているワクチンもあります。しかし、ワクチンや治療薬の開発は容易ではありません。感染症の専門家でもある国立病院機構三重病院の谷口清州医師が解説します。ワクチン開発は一筋縄ではいかない難しいものワクチンは感染する前の健康な人に打つものですから、安全性を確保しなければいけませんし、安全性を確保するには大勢の人で試さなければいけません。たとえばRSウイルスというウイルスは、これまでもワクチン開発が行われてきましたが、まだ有効なワクチンは開発されていません。過去には開発されたワクチンを接種した人がかえって重症化したケースもあります。デングウイルスのワクチンは完成しましたが、デングウイルスは2回目に感染すると重症化する傾向があり、ワクチンを接種することで1回目の感染となり、その後2回目に自然に感染したときに重症化してしまったのです。これが免疫の難しいところで、ただ免疫ができればいいというわけではないし、できた免疫が本当に感染防御に働くのかわからない。何の意味もなさないこともあるし、かえって害をなすこともあります。ワクチンの完成までには、非常に早くて1年はかかると思います。ワクチンの開発は決して簡単なことではありませんが、現在全世界が努力をしているところですので、それまでは自分たちのできることをやって、待つしかありません。アビガンは本当に効くのか?レムデシビルは?新型コロナウイルス感染症患者に投与される薬としてアビガン(一般名:ファビピラビル、抗インフルエンザウイルス薬)が注目を集めています。しかし、現状ではアビガンのような副作用が大きな薬は簡単には使えませんので、重症例や重症になりそうな患者さんに限定して使用しています。そもそもアビガンをはじめとする薬の効果については、ランダム化比較試験を行わないと正しく証明できません。これは新型コロナウイルスに罹患した患者さんを無作為に2つのグループに分けて、それぞれに薬がなんであるかを伝えないで、アビガンとアビガンではない薬をそれぞれ投与し、その効果を比較する試験のことです。現在は介入研究(研究者が対象者に対して研究を意図した介入を加える)ではなく観察研究(診療や経過の成り行きをありのままに観察する)なので、アビガンを投与した人とアビガンを投与していない人をきっちり比較できていません。アメリカではレムデシビル(もともとはエボラ出血熱を治療するために作られていた抗ウイルス薬)という薬を投与したところ、翌日に効果が現れたという論文が出て注目を集めました。最近になってランダム化比較試験が行われ、レムデシビルとプラシーボ(偽薬)の効果に有意な差が認められて、新型コロナウイルス感染症に対する薬物治療として承認されました。これまで、アビガンもレムデシビルもコロナにどれだけ効くか十分にはわかっておらず、新型コロナウイルスに対しての理論的な効果と過去のSARSやMERSへの投与経験から、効果が期待されて使用されてきました。もちろんこれまではいずれも正式には承認されていませんでしたが、重症化して命にかかわる状況で他に治療法がないことから、ご本人やご家族に同意をとってこれらの薬剤を投与していました。アビガンは現在も臨床研究が進行中ですが、他にも複数の研究が行われていますので、今後の研究の進展が待たれます。まとめワクチン開発は容易ではない。早くても1年はかかりそう。治療薬を見つけることも容易ではない。「治療薬があるから大丈夫」とは思わず、感染しないことを考えたほうがよい。参考サイトランダム化比較試験(RCT)- 『健康を決める力』用語集

谷口 清州

2020.5.28

【谷口先生に聞く新型コロナの疑問】2009年流行の新型インフルみたいに「軽症なら入院不要」ができないのはどうして?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、軽症の場合であっても、感染が分かったら必ず隔離されることになっています。2009年に流行した新型インフルエンザは「軽症なら入院しなくてもよい」ということになりましたが、今回の新型コロナと何が異なっていたのでしょうか?感染症の専門家でもある国立病院機構三重病院の谷口清州医師が解説します。新型コロナで「軽症なら入院不要」ができない理由今回の新型コロナウイルスの流行では、患者数の増加に伴い医療現場がひっ迫してくると、コロナで陽性と診断されても軽症ならば自宅療養となるケースがありました。コロナは「指定感染症」に認定された疾患なので、法律的には陽性と診断された患者は入院させなければいけません。ただ、病床のキャパシティが足りなくなった場合に、自宅待機(自宅隔離)という選択肢が生まれています。2009年の新型インフルエンザのときも、最初のうちは軽症でも入院させていましたが、患者数が増加するにつれ、ベッドが足りなくなり、そして同時に軽症例が多いことが判明してきたこともあって、軽症では入院させなくなりました。しかしながら、これは迅速診断キットや抗ウイルス薬が普及している、比較的身近なインフルエンザという疾患だったから、というのが一因です。もっとも大きな理由としては、この時の新型インフルエンザであったA/H1N1pdm09に、過去に流行した季節性インフルエンザであるA/H1N1(ソ連型)ウイルスと共通の抗原性があったためで、日本人の多くの人が基礎免疫を有していたからです。平たく言うと、私たちは2009年の新型インフルエンザに対峙したとき、すでによく似たインフルエンザウイルスに対する免疫を持っており、「応用が利く状態であった」ということ。こういうわけで、入院隔離して感染の拡大を防止する必要性に乏しかったのです。しかし、今回の新型コロナに関しては、私たちは共通の抗原性を持つウイルスの基礎免疫を持っていません。しかし、軽症例が多いということは分かってきているので、コロナも今後まん延し、多くの日本人が免疫を持つようになれば、入院措置が必要である「二類感染症」(鳥インフルエンザ、SARSコロナウイルス、MERSコロナウイルスなど)ではなく、普通の感染症に分類されるかもしれません。そうすれば、現在の季節性インフルエンザと同じような対応になっていくでしょう。ただ、今はまだ日本人の何十%もコロナにかかっている状況ではないので、まだその時期ではありません。「軽症であっても感染したら入院必須」は今後も続く?入院には治療と隔離という二つの意味があります。重症なら治療のための入院が必要ですが、軽症であっても周囲への感染を防ぐために隔離しなければいけないので、入院やホテルでの宿泊療養が必要になるのです。今回、病院以外の施設も実際に運用されましたので、かならず来ると言われている第2波、第3波の時は、そのような施設での療養になるでしょう。もちろん、このような施設まで一杯になってくれば、軽症の人は自宅待機(自宅隔離)とせざるを得ない状況になるでしょう。まとめ2009年に流行した新型インフルエンザが「軽症なら入院不要」になったのは、日本人の多くによく似たウイルスへの基礎免疫があったから。今後多くの人が新型コロナの免疫を持つようになれば、普通のインフルエンザのような扱いになるかもしれないが、今はまだその時期ではない。入院には治療と隔離という意味がある。今後はホテルなどの施設で入院療養が増える可能性も。

谷口 清州

2020.5.27

【谷口先生に聞く新型コロナの疑問】実は「軽症」=「症状が軽い」じゃなかった!医師と患者の「軽症」をめぐる誤解とは

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)になっても、軽症ならば静養していれば治ると言われていますが、実際にはかなり苦しい思いをしている人もいるようです。「軽症なのになぜ?」と思う人もいるかもしれません。これは「軽症」という言葉についての誤解があるからです。感染症の専門家でもある国立病院機構三重病院の谷口清州医師が解説します。医学的な「軽症」は「症状が軽い」という意味ではないみなさんがイメージする「軽症」と、医学の世界で「重症」と区別するときに用いる「軽症」は若干意味合いが異なります。新型コロナウイルス感染症に関して、医学の世界での「軽症」とは「肺炎の症状がなく、呼吸管理・酸素投与の必要がない」という意味であって、「症状が軽い」という意味ではありません。もともと、これら軽症とか重症というのは患者の生命予後(今後生命が維持できるかどうかの予測)または機能予後(病気になった部位の機能が維持できるかどうかの予測)を示す概念です。だから、「軽症だから体は辛くない」というのは誤解です。軽症でも熱が39℃まで上がれば体が辛くなるのは当然です。たとえば、インフルエンザにかかると、全身の倦怠感も強く、非常に体が辛くなります。しかし、肺炎を起こしているわけでもなく、数日経てば治りますから「軽症」とされます。医療現場では「(非常に苦しくても)現時点で命に別状はない」という意味で「軽症」という表現が使われています。ただ、コロナの場合は、感染を広めるリスクがあるので、治療とは別に公衆衛生の観点から、隔離するために軽症でも入院することになります。もちろん発症時は軽症でも、その後重症化するリスクもあるので注意が必要です。まとめ医学的な「軽症」とは「命に別状はない」という意味。症状が軽いとは限らない。コロナの場合は感染を広めないため、重症化に備えるために、軽症であっても医療機関への入院や宿泊施設での療養などの隔離措置がとられることになる。

谷口 清州

2020.5.26

【谷口先生に聞く新型コロナの疑問】「検査しても無意味」は間違い? 自宅待機中に亡くならないためにチェックすべきこととは

新型コロナウイルス感染症(COVID-19/以下、コロナ)の疑いがあり、自宅待機している間に容態が急変してしまう例が出ています。重篤な状態になる前に受診しなければいけません。感染症の専門家でもある国立病院機構三重病院の谷口清州医師が解説します。重症化の前兆を見逃さないためにできること4月29日、厚生労働省は「緊急性の高い13の症状」のリストを発表(※)しました。コロナに感染して陽性だと診断されても、入院できずに自宅で療養している人のために、重症化の前兆となる症状をまとめたものです。(※)軽症患者 緊急性高い13症状のリスト公表 厚労省 新型コロナ - NHKニュース「顔色が明らかに悪い」「息が荒くなった(呼吸数が多くなった)」「急に息苦しくなった」「胸の痛みがある」「肩で息をしている」「ぼんやりしている(反応が弱い)」「もうろうとしている(返事がない)」などです。これらに該当する項目が1つでもあれば、重症化してしまうおそれがあるので、すぐに受診すべきです。検査を受けていない人でも同じです。これらの基準に関連する呼吸数や心拍数などは、自宅などで療養している場合でも簡単に自分で測定することができます。呼吸数・心拍数などの目安やバイタルチェックの方法はこちらの記事にまとめていますので、参考にしてみてください。【谷口先生に聞く新型コロナの疑問】重症化を見逃さないためにチェックすべき3つの数値とは?容態が急変するのは肺炎の急速な進行が原因と考えられており、実際に突然死した例では、肺に多数の新型コロナウイルスが見つかったという報告がありますが、一方では新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、血管内皮に感染し、血液が固まりやすくなるような血液凝固メカニズムにも変化が起こることがわかってきました。まだ、急激に重症化するメカニズムは十分には解明されていませんが、急速に悪化することがありうる病気ということは知っている必要があります。感染が疑われる人にPCR検査を行ったほうがよい理由私が、重症ではなくても臨床的に疑われる患者さんに検査を行う意義があると考えるのは、診断がついていれば、その後の経過をある程度予測し、発症から7~10日くらいで急速に悪化するかもしれないことに注意できるからです。自宅で経過を見るにしても、呼吸数や心拍数の変化に気をつけて、特に軽快/重症化の分かれ目である7~10日くらいで体調に異変があったらすぐに病院に来てくださいと言うことができるわけです。また、当然のことながら、診断が確定すれば、濃厚接触者の管理をすることによって、感染の拡大を防止し、クラスタを形成することを予防することにつながります。「軽症の人を検査しても治療法は変わらない」というのは事実です。また、現時点では軽症の人は新型コロナウイルス感染症ではない確率の方が高いでしょう。しかし、検査して陽性であれば、その時点での治療方法は大きく変わりませんが、管理方法が変わります。私たちが病原診断(病気の原因となったウイルスや菌をつきとめること)をしようとするのは、患者さんの状況からある特定の感染症を疑ったときに、病原診断によって患者の経過観察と注意すべき事柄が変わってくることがあるからです。たとえば、RSウイルス感染症というのは特効薬的な治療はありません。しかしながら、6か月の乳児が最初は鼻水と咳だけであっても、RSウイルス感染症であった場合には重症化のリスクが高く、その後、急速に呼吸困難になることがあるので、あらかじめ注意を払うことができます。そのためには病原診断が必要なのです。たしかに、コロナの有効な治療法は見つかっていません。しかし、注意をすることはできます。自宅待機をしている間に亡くならないためにも、臨床的に新型コロナ感染が疑われる場合には検査を行って、陽性であれば診断が付きますし、陰性であっても強く疑う場合には、注意深く経過を観察して行く必要があります。コロナに限らず感染症は、どのような病原体が、どんな体調の人の、どの臓器に感染したかを考えて診断と治療を行います。少なくとも医者が疑ったら検査は行ってほしいと思います。医者はそれなりに理由があって、「病原診断がしたい」と考えています。症状を疑うようならすみやかに保健所に連絡をもちろん、大した症状もないのに心配だからという人に検査を受けさせるのは資源の無駄遣いです。症状があっても元気な場合には別の病原体によるものであることが多いでしょう。また、そのような場合に企業が社員に「陰性証明」を求めて検査を受けさせようとするのも困ります。新型コロナ感染を疑う合理的な症状があり、経過を見ていく必要があって、検査が必要だと医者が判断したら、その検査は行うことができるようにするべきだと思います。私どもの病院では、保健所からの指示がなくても、「疑い例」の方が直接病院に来て、検査を行うケースがあります。普通の外来に来ている患者を診察したところ、コロナの疑いがあるという場合、検査を行っています。決して推奨しているわけではありませんが、熱が4日続く人や、一年中咳をしている人はたくさんいるわけです。そういう人たちが病院に来た際には、医者がおかしいと判断すれば検査を行う、ということです。今後、コロナは一般化していくと思いますので、このようなケースは増えていくと考えられます。症状を見てコロナの疑いを感じたときは、まずは保健所に連絡して相談してみてください。保健所に電話をかけてもつながらないときもありますので、事前に地域の連絡先を調べておくことも大切です。今後は地域での医療体制や検査体制が整備され、地域外来・検査センターなどが設置されてきますので、かかりつけの医療機関に相談されてもよいと思います。まとめ自宅待機中に急変する可能性も。異変を感じたらすぐに受診を。「検査しても意味がない」は間違い。コロナを疑ったらすぐに検査を。事前にコロナについて相談する連絡先をチェックしておこう。参考サイト軽症患者 緊急性高い13症状のリスト公表 厚労省 新型コロナ - NHKニュース新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養・自宅療養における健康観察における留意点について - 厚生労働省新型コロナウイルス感染症策推進本部

谷口 清州

2020.5.26

【谷口先生に聞く新型コロナの疑問】親が、あるいは子が感染したら?親子が感染したときの病院の対策は?

小さな子どもを持つ親が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)になってしまったらどうすればいいのか、心配になっている方も多いと思います。親が、あるいは子が感染したらどうすればいいのでしょうか?感染症の専門家でもある国立病院機構三重病院の谷口清州医師が解説します。「子どもが感染しにくい」というわけではないまず、これまでの研究では、子どもも大人と同じ確率で感染することがわかっています。つまり、子どもと大人の感染率は同じです。子どもの感染者数が少ないからといって、子どもが感染しにくいわけではありません。また、大人から子どもへの感染率は高いのですが、子どもから大人への感染率は低いです。これらの理由はわかっていません。一方、最近小児では鼻粘膜のウイルス受容体である「ACE2」が少ないという報告があり、これによって子どもは感染しにくいのではないかと議論されています。子どもの感染者が少ないと思われているのは、症状が出にくいのと、軽症者が多いということもあります。ですから、大人が感染したら、当然一緒に住んでいる子どもに感染するリスクがあります。コロナは発症の2日前から感染性があるとされているので、発症した時点ですでに感染している可能性はあります。まだ感染していない場合、それ以上の接触を減らすために離れて住むことができれば感染リスクは低くなりますが、小さなお子さんの場合はそれも難しいでしょう。祖父母が面倒を見ようとしても、お子さんがすでに感染していて潜伏期にあるとすれば、祖父母に感染してしまったらもっと大変なことになってしまいます。誰かに預けるにしても、預かる方も多少なりともリスクがあるわけです。重症化リスクが高くない人で、いざとなったら子どもを預けられる人がいないか、リストアップしておくことも一つの方法です。親が防護服を着て付き添いも親がコロナに感染したときの、お子さんの面倒を誰が見るかについては、いろいろな形の対策を考えていかなければいけません。たとえば、私たちの病院では医療的ケア児をはじめとする在宅療養児の診療を行っていますが、彼らの両親がコロナに感染した場合、レスパイト(一時的な入院)という形でお子さんをお預かりすることも考えています。他の病院でも同じような対策を講じているところはあるでしょう。これについては、日本小児科学会が指針を示しています。両親ともに入院することになった場合、あるいは母子家庭、父子家庭で親御さんが入院しなければいけなくなったときは、児童相談所などが一時保護を行っている地域もあります。事前に調べてみてください。一方、子どもが感染したとき、感染していないご両親の付き添いをどうするかという問題もあります。1歳や2歳の子の場合、親が一緒にいないとどうしようもありません。でも、親がその時点で陰性なら付き添いをすることによってこれから感染するリスクもありますし、子どもは軽症でも親の方が重症化するリスクも高いかも知れません。これは大きなジレンマです。日本小児科学会は、小児が入院した場合について、保護者の同室付き添いが考慮されるという見解を示しています。その理由として、保護者によるケアは小児の精神的な安定につながり、医療従事者の負担も大きく軽減されること、小児に基礎疾患がある場合や乳幼児においては病態を最も理解し急変の徴候を早期に気付くことができるのも保護者であること、保護者が小児の介護を可能な状態であると判断できた場合には、入院する小児の介護者として同室してもらうことには大きな意味があることを挙げています。注意すれば外遊びさせても大丈夫コロナに感染していないお子さんは、全国で休校措置が続いているため、ずっと家にいることになると思います。感染リスクがあると思ってお子さんに外遊びを我慢させている親御さんもいるかもしれませんが、感染しない、感染させないように注意さえしていれば大丈夫です。コロナはヒトからヒトへしかうつらないので、ヒトとの距離が離れていれば感染することはありません。人の少ない大きな公園や、海、山などに行けば、感染することも感染させることもほとんどないと考えられます。よくこのような質問を受けますが、「精神衛生」という言葉もあるように、精神のバランスを保つことも非常に大切です。ただ、地域によっては、遊びに外に出ると白い目で見られてしまうこともあるようです。このウイルスは人との距離をとっていれば感染しないことを、みなさんに理解してほしいですね。隣の家に感染者がいると自分の家族にもうつる、なんてことを言う人もいますが、そんなことはありません。大気の拡散能力は膨大なもので、飛沫はせいぜい2メートルほどしか飛びませんので、隣の家からウイルスが飛んでくる、なんてことはありえないのです。世間の雰囲気が非常に神経質になっていると感じますが、必要な注意を払いながら、子どもを外に遊びに連れていくことは、けっして悪いことではないと思います。まとめ「子どもはコロナに感染しにくい」は間違い。子どもの感染率は大人と変わらない。親が感染したときのシミュレーションをしておくこと。感染しない、させないように注意すれば、外遊びも大丈夫。心のバランスも大事。参考サイト在宅療養児介護者のCOVID-19感染判明時等の支援について - 公益社団法人 日本小児科学会小児の新型コロナウイルス感染症に対する医療提供体制に関する見解 〜入院や付き添いの考え方も含めて〜 - 公益社団法人 日本小児科学会Bi Q , Wu Y , Mei S , et al. Epidemiology and transmission of COVID-19 in 391 cases and 1286 of their close contacts in Shenzhen, China: a retrospective cohort study. Lancet Infect Dis. 2020;S1473-3099(20)30287-5. doi:10.1016/s1473-3099(20)30287-5Wong GW, Li AM, Ng PC, et al. Severe acute respiratory syndrome in children. Pediatr Pulmonol 2003;36:261-266.

谷口 清州

2020.5.21

【谷口先生に聞く新型コロナの疑問】重症化を見逃さないためにチェックすべき3つの数値とは?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19/以下、コロナ)では、どんな人が重症化するのでしょうか? また、どうすれば重症化しないのでしょうか? 感染症の専門家でもある国立病院機構三重病院の谷口清州医師が解説します。誰にでも重症化リスク、前兆となる症状に注意重症化するリスクが高いのは、高齢者、基礎疾患のある人、妊婦、1歳未満の乳児などといわれています。とはいえ、若い人が重症化しないかというとそんなことはありません。若い人でも重症化して亡くなった人はいます。今のところ、なぜ軽症で済むのか、なぜ重症化するのかは、科学的にわかっていません。ウイルスの曝露量(ウイルスを浴びた量)によるとも言われています。ただ、現象として上記のような人たちが重症化しやすいことはわかっています。それを知った上で、誰にでも重症化するリスクはあると覚えておくといいでしょう。4月29日、厚生労働省は軽症患者が注意すべき「緊急性の高い13の症状」 を発表しました。「顔色が明らかに悪い」「唇が紫色になっている」「息が荒くなった(呼吸数が多くなった)」「急に息苦しくなった」「胸の痛みがある」など、重症化の前兆となる症状を一つでも感じたら、すぐに保健所などに連絡してください。また、一般的には、発症後5~10日くらいで重症化することが多いので、特にこの時期は注意してください。自宅待機中は「バイタルサイン」をチェックしよう重症化しないために一番大事なことは、規則正しい生活をして、3食しっかり食べて、夜はちゃんと寝て、なるべくストレスをためないことです。健全な生活をすることが一番大事だと思います。実はインフルエンザにも同じことが言えます。インフルエンザが重症化して入院する中学生や高校生は、クラブの試合のために体が疲れきっていたり、受験勉強のストレスがあったりします。重症化するかしないかは、体調やストレスも大きくかかわっているようです。軽症と診断されて自宅で過ごすときは、重症化を早期に発見するために「バイタルサイン」を計測するといいでしょう。「バイタルサイン」とは「生命の兆候」という意味で、呼吸数、脈拍(心拍数)、血圧、体温の4つを指します。医師はこれらの数値情報で患者の状況を把握します。コロナの場合、特に注意しておきたいのは呼吸数、心拍数、体温の3つの数値です。たとえば、安静時の呼吸数が時とともにだんだん増えていったら、それは異常な兆候です。医師に連絡して相談してみてください。なお、この際には、普段の自分の状況を把握しておくと変化がよくわかりますから、今何も気になる症状がなければためしに測定してみるのもいいでしょう。記録するコツは、病院でもらえる「熱計表」を使うことです。インターネットで検索すれば、ダウンロードもできます。熱計表は記録をグラフにできるので、1日3回測って、数値が上がり傾向か下がり傾向かなどをチェックしてみてください。なお、呼吸数は年齢によって異なります。成人は1分間に16~18回ですが、幼児は20~30回、乳児は30~40回と多くなり 、逆に高齢者は少なくなるので目安にしてください。受診の目安として挙げられていた倦怠感や息切れなどは自覚症状なので、個人の感覚によって異なることがあります。一方、呼吸数、心拍数、体温は、感情などに左右されないので、信頼度が高い数値だと言えます。病院のような機器がなくても、1分間当たりの心拍数や呼吸数ぐらいなら簡単に測ることができます。コロナに限らず病気になったときは、経過観察をすることが大事になります。よく、医者が「様子を見てみましょう」と言いますが、これは要するに「症状の経過を観察しましょう」ということです。そのためには必要な数値は見ておかなければいけません。「自宅で安静にする」ときに最も大切なのは「何もしない」ではなく「経過を見ること」なのです。コロナは後遺症があるのか?コロナの後遺症について、詳しいことは今のところわかっていません。重症になった人は間質性肺炎を起こすわけですから、肺に一定の傷あとを残すことはありえます。わからないといえば、このウイルス自体もよくわかっていないので、検査で2回陰性が出たからといって本当にウイルスが体内から排除できているのかわからない部分があります。実際、PCR検査で2回陰性になって退院し、自宅に戻ってから急激に悪化して亡くなった方の肺からウイルスが検出されたという報告もあります。このウイルスはかなり人間に適応していて、人間の世界と共存できるようになりつつあるようです。すでに共存できるようになっているのかもしれません。最近、このウイルスが血管の内皮細胞に感染することもわかってきており、これが急激に重症化する原因とも考えられています。まだまだよくわからないウイルスに対して、われわれが今できることは、いかに感染しないかを考えることです。手洗いと密接・密集・密閉の「3密」を避けることを徹底しましょう。まとめ重症化しやすいのは高齢者、基礎疾患のある人、妊婦、乳児。若い人も重症化しないとは限らない。大切なのは、3食しっかり食べて、夜はちゃんと寝て、なるべくストレスをためないこと。自宅療養中の経過観察では呼吸数、心拍数、体温の3つに注意。異常な兆候があれば医師に相談を。コロナにはまだわからないことが多い。大切なのは「手洗い」と「3密」を避けること。参考サイト新型コロナウイルス感染症について - 厚生労働省新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養・自宅療養における健康観察における留意点について - 厚生労働省 新型コロナウイルス感染症対策推進本部特設サイト 新型コロナウイルス|NHK NEWS WEB

谷口 清州

2020.5.15

【谷口先生に聞く新型コロナの疑問】自宅療養中でもすぐ相談が必要な症状とは?

自分の症状が新型コロナウイルス感染症(COVID-19/以下、コロナ)なのかがわからないという声を聞くことがあります。様子を見ている間に重症化してしまうことを避けるためにも、また余計な不安に駆られないようにするためにも、コロナの症状を正しく知っておく必要があります。「この症状が出たらコロナ」という決まったものはありませんが、注意しておくべき症状について、感染症の専門家でもある国立病院機構三重病院の谷口清州医師が解説します。「いつもの風邪とちょっと違う」症状に注意まず、風邪症候群(上気道炎)と同じような症状が長く続いたときには、コロナを考えておく必要があります。その他、これまでにわかっている特徴としては、風邪症候群のときよりも強いだるさ、倦怠感、普段は感じない嗅覚障害、味覚障害などがあります。全体の感染者の6割に味覚障害があったという報告もあります。このような変わった症状を覚えておくといいと思います。「二峰性発熱(にほうせいはつねつ)」と呼ばれる症状もよく見られます。発熱があって、一度下がった後、また熱が上がることです。ウイルス感染症の場合、ときどき見られる症状ですので、コロナに限った症状ではありませんが、疑うときの参考にしてください。コロナ患者との明らかな接触歴があればわかりやすいのですが、今は地域内感染伝播があったり、無症候性感染があったりするので、非常にわかりにくいのが現状です。医療現場では、だるさと発熱が長く続く、味覚・嗅覚障害、二峰性発熱などの症状に注意しています。これらの普段の風邪とはちょっと違う症状が見られた場合はコロナを疑ってもいいと思います。ただし、人間は精神に左右される動物なので、「自分はコロナかもしれない」と疑いはじめると、余計にだるくなったりすることもあります。過剰な心配は禁物です。ちなみに、ニュージーランドでは発熱や上気道症状があるだけでコロナを疑うことになっており、PCR検査をすべしとされています。今後地域に広がってくれば、このような考え方も必要になるのかもしれません。肺炎の兆候は「息切れ」に注意コロナに感染してから5日、6日と症状が続くと、重症化して肺炎になることがあります。乾いた咳がひどくなるのが肺炎のわかりやすい症状ですが、あまり強くないこともあります。また、肺炎の兆候として、息切れと呼吸数の多さが挙げられます。ウイルス性の肺炎は間質性肺炎と呼ばれるもので、肺胞の壁に浮腫(むくみ)が生じて乾いた咳が多くなります。また、肺での酸素交換がしにくくなるので、いつもは息切れしないようなところで息切れが起こります。普段より呼吸数も多くなります。さらにひどくなると、肺胞に浸出液が溜まってきて、痰となって出てくるようになります。胸痛も肺炎の特徴として挙げられますが、マイコプラズマやその他の細菌が原因の肺炎にも見られる症状です。ただ、普段、胸痛を感じたことのないような人が胸痛を感じるのなら、それは注意したほうがいいと思います。症状があっても4、5日は自宅待機が必要?発熱した場合でも4、5日は自宅で待機をしたほうが良いと言われていましたが、37.5℃以上の発熱が5日以上続くのは明らかにおかしいです。一般的な医師は、発熱が3日以上続いた時点で「これは風邪ではないのではないか」と考えます。厚生労働省は受診の目安をこれまで「37.5℃以上の発熱が4日以上」としてきましたが、5月6日にこれまでの内容を見直すことを発表しました。諸外国では、このように何日と決めている国はありません。現在のコロナの状況を考えたら、まずは家族や基礎疾患を持つ人に感染させないようにしなければいけません。発熱があって、息切れや味覚障害や倦怠感があったら、その時点で受診のために「帰国者・接触者相談センター」などに相談の連絡をしてください。医療機関で感染することもありますので、症状がひどくなければ、2日ほど自宅で様子をみたほうが賢明です。高齢者や基礎疾患のある人は、発熱や咳など比較的軽い風邪の症状でも相談できます。「医療崩壊につながるのでは?」と心配される方もいるかもしれませんが、現在いろんなところで地域のPCR検査センターが整備されつつありますので、今後早期診断が進んでくると思われます。検査のキャパシティに余裕のある地方は、症状が4日未満でも臨床的に疑わしいと思えばPCR検査も実施しています。我々が「この人はコロナではないだろう」と思う患者さんでも、少しでも疑いがあれば検査を行っています。私は今三重の病院に勤務していますが、たくさんの人が検査を断られているという状況ではありません。地方は東京と比較すると、まだまだコロナの症状が出ている方が少ないですが、かなり敏感になっている方も多く、危機意識は都会の方たちよりも高いと思います。これは、もともと地方都市では総合病院が一つしかないところも多く、「なにかあったら大変なことになる」という思いがあるのだと思います。そういうことからすると、さすがに最近は少なくなったようですが、東京の繁華街に人が集まっている様子は信じられませんでしたね。若いから軽症で済むとは限りませんし、高齢者だからといって必ず重症化するとも限りません。今のところ、コロナについて詳しいことはまだわかっていません。私どもの病院に入院している患者さんの中にも、すごく軽症なのにウイルス量が非常に多い方がいらっしゃいます。これまでのデータを見ると、症状の重さとウイルス量は比例しないようなのです。大切なのは自分の症状をしっかりと見ることです。症状がひどくて、どうもいつもの風邪と異なると思えば、相談して受診するようにしてください。まとめ「長く続く発熱」「強い倦怠感」「味覚・臭覚障害」「二峰性発熱」があったら受診相談を。「息切れ」と「胸痛」は肺炎の兆候なので注意。参考サイト新型コロナウイルス感染症について - 厚生労働省特設サイト 新型コロナウイルス|NHK NEWS WEB

谷口 清州

2020.5.14

【マンガで分かる!】新型コロナ対策 ~おうち編~ いま私たちにできること

大切なのは身体の抵抗力を保つこと収束の気配を見せない新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。私たちが新型コロナウイルスに感染しないようにするには、どのようなことに気をつければいいのでしょうか?感染症の専門家で国立病院機構三重病院臨床研究部長の谷口清州医師にあらためて教えてもらいましょう。外出時に注意したいことは、こちらの記事をチェック!【【マンガで分かる!】新型コロナ対策 ~おそと編~ いま私たちにできることDr.タニグチのひとこと次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする塩素系漂白剤(濃度6%のもの)を薄めて使用する場合は、水3Lに対して液25mLを目安に入れてください。まとめ外出から帰ったら、まずは石けんで手洗いしましょう。身体の抵抗力を保つために、早寝早起き、3食バランスよく食べて、禁煙しましょう。3密(密集・密接・密閉)を避けて適度な運動をしましょう。文:Open Doctors編集部作画:ぐっちぃ監修:国立病院機構三重病院 臨床研究部長 谷口 清州外出時に注意したいことは、こちらの記事をチェック!【マンガで分かる!】新型コロナ対策 ~おそと編~ いま私たちにできること

谷口 清州

2020.4.23

Open Doctorsは病気についての正しい知識をやさしい言葉で紹介。お医者さんとの間にある情報の差を解消することで、あなたの意思決定を支援します。

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市民・患者のための健康・医療コミュニケーション学会