マンガで解説! 外出中・帰宅後の感染リスクを減らす行動
最終更新日:2020.2.14
感染拡大が止まらない新型肺炎。自分と家族の健康を守るためには「基本の感染症対策」を徹底することが大切です。
外出先で気をつけることは?家に帰ったらどんな行動をとればいい?感染症の専門医でもある谷口医師に聞きました。
新型コロナウイルス、現在の日本国内の状況は?
現時点で、国内で新型コロナウイルスの地域内感染伝播(※注1)が起きているという証拠はありません。(※注1)地域内感染伝播:ある地域のなかに「病原体を保有していて感染性を持つヒト」が一定程度存在し、その地域内で感染が伝播していくこと。武漢で起きているような、ヒトからヒトへの感染連鎖が追跡できない状態
過剰に心配する必要はありませんが、一方では、地域内感染伝播が疑われるような事例が出てきています。まだ詳細は不明ですが、次の局面に備えて自分でできる感染対策を考えていきましょう。
冬は風邪やインフルエンザが流行する季節でもあります。新型コロナウイルスへの対応も基本は同じです。自分と家族の健康を守るために、基本の感染症対策を徹底しましょう。
帰宅したらまず何をすべき? 感染リスクを減らす行動順序は
家に帰ったら、まずはマスクをはずして捨てます。表面にはウイルスなどの病原体がついている可能性があるので、紐の部分をもって外してください。マスクを外した後は、手をしっかり洗ってください。新型コロナウイルスはもちろん、かぜを引き起こすウイルスやインフルエンザウイルスには、アルコール消毒も有効です。アルコール消毒をする場合、1プッシュだけでは十分な量が出ていないこともありますので、2プッシュを目安に使用するとよいでしょう。

以上を実践していれば、外で拾ってきたウイルスなどの病原体を体内に取り込んでしまう可能性は低くなります。
それでも気になるという方は、一日中着ていたコートなどは玄関前ではたき、玄関のドアノブやスマートフォンなど、日常的に外出先や電車内などで取り出して触れる機会があるものについては、アルコールの入った除菌ティッシュなどでふき取るという方法もあります。
病院や公共の場所など、いろいろな病原体がいる可能性が高い場合、あるいは不特定多数の方が触れるものにはこういった対策も行いますが、自宅であれば普通の掃除をしておけばよいと思います。アルコールを使うと、材質によっては、変色・脱色することもありますから、目立たない場所で試してからにしてください。
自宅は病院と異なり、さまざまなウイルスや細菌が行きかうような場所ではありません。もちろん、外界でいろいろな病原体と遭遇しているとは思いますが、それらをすべてシャットアウトすることは不可能です。
上記の行動により外から持ち帰ってきたウイルスなどの病原体を減らすこと、そして何よりも大切なのは、鼻・のど・目などの粘膜に病原体が付着しないように手を洗うことです。
日中もこまめに実行したほうがよい感染症対策は?
やはり、石けんでの手洗いとアルコール消毒です。外出先から帰ったときや、電車のつり革やエレベーターのボタン、ドアノブ、お札や硬貨などの公共物に触れた時は、積極的に手洗い・消毒をするようにしてください。なんといっても大切なのは「口・鼻・目」などの粘膜から病原体を入れないことです。ウイルスがついた手で食事をとったり、鼻や目をこすったりすれば、ウイルスの侵入を許すことになってしまします。食事の前だけでなく、知らずしらず顔の粘膜などに触れる癖のある人などは、手洗い・消毒を徹底してください。

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国立病院機構三重病院 臨床研究部長。国立感染症研究所客員研究員。専門は小児感染症学、感染症疫学で、2003年にはSARSコロナウイルスの世界流行の対策を経験。三重大学医学部小児科学教室、ガーナ国野口記念医学研究所、国立三重病院小児科、国立感染症研究所感染症情報センター、WHO感染症対策部などを経て2013年より現職。