つらい花粉症。セルフケアの方法と治療の選択肢
最終更新日:2019.3.27
「鼻水が止まらない」
「目がかゆい」
今の時期、花粉症に悩む人も多いのではないでしょうか。
今年の花粉の飛散量は例年より多い(*1)ようです。花粉症を学んでセルフケアをしっかりと行うとともに、来年の対策についても考えておきましょう。

ただし、いずれも効果には個人差があり、厚生労働省の花粉対策でも「症状の緩和が期待される」とされています。
最近、「貼る」抗ヒスタミン薬も発売されました。内服のロイコトリエン受容体拮抗(きっこう)薬は、いわゆる鼻づまりに効果があると言われていますが眠気はありません。
局所療法としては、鼻症状に対して鼻噴霧用ステロイド薬、眼症状に対して抗ヒスタミン薬の点眼があります。それでも治りにくい場合には、ステロイドの点眼薬、免疫抑制薬の点眼薬なども用いられます。
「皮下免疫療法」は、アレルギー反応が起きないところまで濃度を下げた花粉の抽出液を注射して、その後少しずつ濃度を上げていくことで花粉抗原の免疫を獲得させる方法です。3年以上続ける必要がありますが、軽症化や無症状化などの改善例が8割以上と報告されています。
「舌下免疫療法」は治療薬を舌の下に投与するとすぐに溶けるため、定められた時間保持したあとに飲み込むものです。毎日、自宅で服用するのですが症状がない季節にも根気よく続ける必要があるため、よく理解してから始めましょう。
・市販のガーゼ
・化粧用のコットン
手順
① ガーゼを縦横10cm程度に切り、2枚用意
② 化粧用のコットンを丸めて、1枚のガーゼでくるむ(インナーマスク)
③ 市販の不織布のマスクにもう1枚のガーゼを4つ折りにしてあてる
④ 鼻の下にガーゼでくるんだコットン(インナーマスク)を置く
⑤ ③のガーゼをあてたマスクを装着する
⑥ 息が苦しい場合にはコットンの厚さを半分にする
文:Open Doctors編集部
監修医師
独立行政法人国立病院機構 三重病院 院長
藤澤 隆夫 先生
独立行政法人国立病院機構 三重病院 アレルギー疾患治療開発研究室長
長尾 みづほ 先生
「目がかゆい」
今の時期、花粉症に悩む人も多いのではないでしょうか。
今年の花粉の飛散量は例年より多い(*1)ようです。花粉症を学んでセルフケアをしっかりと行うとともに、来年の対策についても考えておきましょう。

基本情報:花粉症とは?
花粉症とは、花粉に対して人間の体が起こすアレルギー反応のこと。鼻水や涙が出るのは、花粉に過剰に反応してしまうためです。地域により特徴的な花粉の種類は異なりますが、スギ花粉症は2〜3月、ヒノキは4〜5月、シラカンバは4〜6月、カモガヤは5〜8月、ブタクサやヨモギは8〜10月ごろとされています。(*2)(*2.1)対策で大事なのはセルフケア
人によっては複数の強い症状が現れることもあり、重症化しているようであれば専門機関の受診をお勧めしますが、そうでない場合はアレルギー対策の基本は「抗原回避」です。つまり、できるだけ花粉に触れないこと。外出時などは特に下記のことに注意しましょう。花粉の飛散情報をチェック
テレビやインターネットで花粉の飛散情報を知ることができます。花粉が多い日や雨上がりのときには花粉が着きにくい衣類にするなどして外出しましょう。マスク(+メガネ)
マスクやメガネは花粉の量が多いときは特に効果を発揮する防御策です。マスク・メガネの有無で鼻の中の花粉量に6倍の差が確認されたというデータもあります。(*3)ただし、お子さんの場合は花粉用のメガネをしたまま運動すると、転倒したときに危険ですので注意が必要です。自宅の環境整備
帰宅時には家の中に入る前に花粉を払う、カーペットよりはフローリングにして掃除しやすくする、窓を開けない、布団を外に干さない、などして家の中に花粉が入らないようにしましょう。ただし、いずれも効果には個人差があり、厚生労働省の花粉対策でも「症状の緩和が期待される」とされています。
花粉症の薬に関して
花粉飛散前や症状が軽いうちに服薬を始めるとあまり強い症状にならずにすむと言われています。内服の抗ヒスタミン薬が代表的ですが、第二世代といわれる、眠気の少ないものを選ぶとよいでしょう。最近、「貼る」抗ヒスタミン薬も発売されました。内服のロイコトリエン受容体拮抗(きっこう)薬は、いわゆる鼻づまりに効果があると言われていますが眠気はありません。
局所療法としては、鼻症状に対して鼻噴霧用ステロイド薬、眼症状に対して抗ヒスタミン薬の点眼があります。それでも治りにくい場合には、ステロイドの点眼薬、免疫抑制薬の点眼薬なども用いられます。
根治を目指す免疫療法も
スギ花粉症で困っている方には治療法の一つに根治を目指すアレルゲン免疫療法があります。これは、皮下免疫療法と舌下免疫療法があり、いずれも5歳くらいから受けることができます。「皮下免疫療法」は、アレルギー反応が起きないところまで濃度を下げた花粉の抽出液を注射して、その後少しずつ濃度を上げていくことで花粉抗原の免疫を獲得させる方法です。3年以上続ける必要がありますが、軽症化や無症状化などの改善例が8割以上と報告されています。
「舌下免疫療法」は治療薬を舌の下に投与するとすぐに溶けるため、定められた時間保持したあとに飲み込むものです。毎日、自宅で服用するのですが症状がない季節にも根気よく続ける必要があるため、よく理解してから始めましょう。
こんな対策も:インナーマスク
環境省が使用を推奨しているインナーマスクはご存じでしょうか。市販のマスクの内側に装てんすることで、どんなマスクでも99%以上の花粉除去率になります。(*4)インナーマスクの作り方と使い方
必要なもの・市販のガーゼ
・化粧用のコットン
手順
① ガーゼを縦横10cm程度に切り、2枚用意
② 化粧用のコットンを丸めて、1枚のガーゼでくるむ(インナーマスク)
③ 市販の不織布のマスクにもう1枚のガーゼを4つ折りにしてあてる
④ 鼻の下にガーゼでくるんだコットン(インナーマスク)を置く
⑤ ③のガーゼをあてたマスクを装着する
⑥ 息が苦しい場合にはコットンの厚さを半分にする
参考文献
監修医師
独立行政法人国立病院機構 三重病院 院長
藤澤 隆夫 先生
独立行政法人国立病院機構 三重病院 アレルギー疾患治療開発研究室長
長尾 みづほ 先生