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ししついじょうしょう

脂質異常症

脂質異常症のQ&A

概要編

イシ先生

A.血液中の中性脂肪(トリグリセリド)や「悪玉コレステロール」と呼ばれるLDLコレステロールが基準値より多い状態、あるいは「善玉コレステロール」と呼ばれるHDLコレステロールが基準値より少ない状態のことを脂質異常症と言います。

食の欧米化により増加している生活習慣病の一つで、日本には200万人以上の患者がおり、男女比は1:3で女性のほうが多いとされていますが、予備軍を含めれば氷山の一角でしょう。

脂質異常症の基準値はガイドラインによって定められていますが、健康な人か、過去に心臓の疾患があった人かによって、どれぐらい危ない状況なのかが変わってきます。

年齢や喫煙習慣の有無、高血圧や糖尿病などの持病があるかどうかも関係します。

すごいスピードで走っていても事故を起こさないF1ドライバーみたいな人もいれば、遅いスピードで走っていても事故を起こしてしまう人もいるわけです。自分の体調や病歴などに合わせた適正な数値を知っておくことが大切です。

イシ先生

A.脂質異常症は、特別な症状を自覚することはほとんどありませんが、放置すると動脈硬化を引き起こし、命にかかわる病気につながります。
動脈硬化とは、コレステロールが血管にプラーク(塊)となって沈着し、血管に炎症が起こって硬くなっている状態のことで、いずれこぶのように膨らんで、最後には血管がつまってしまいます。

血管が詰まってしまうと血液が流れなくなり、その先の臓器が壊死(えし)してしまいます。
脳で起これば脳梗塞、心臓で起これば心筋梗塞となります。

血中の脂質が高くなること自体は恐ろしい病気ではありませんが、重篤な病気を防ぐためにも脂質異常症には注意が必要です。

イシ先生

A.コレステロールとは脂質の一種です。
テレビのCMなどの印象から、有害なものだと思われがちですが、実際には細胞膜、各種ホルモン、胆汁酸を作る材料となる、生物にとって絶対に必要な栄養成分です。2~3割を体外から取り入れ、7~8割は糖や脂肪から肝臓で合成されます。

しかし、コレステロールを摂りすぎると、脂質異常症をはじめとする生活習慣病の一因となります。

コレステロールには、「悪玉コレステロール」と呼ばれるLDLコレステロールと「善玉コレステロール」と呼ばれるHDLコレステロールがあります。
この二つのバランスが崩れて、血液中のコレステロールが過剰になった状態を脂質異常症と呼びます。

イシ先生

A.「善玉コレステロール」「悪玉コレステロール」という呼び名が一般化していますが、実はどちらが良いものでどちらが悪いものだと決まっているわけではありません。それぞれ働きが違うというだけです。

肝臓から体の隅々までコレステロールを運ぶLDLコレステロールが「悪玉コレステロール」と呼ばれ、逆に体から余分なコレステロールを回収して肝臓に運ぶHDLコレステロールが「善玉コレステロール」と呼ばれています。

LDLコレステロールがなければ全身にコレステロールが行きわたらないため、細胞膜も性ホルモンも作ることができません。
ただし、LDLコレステロールが増えすぎると、血液中のコレステロールが増加してしまい、動脈硬化を引き起こしてしまいます。

つまり、LDLコレステロールが「悪」なのではなく、コレステロールを摂りすぎること、つまりカロリーの高い食事をしすぎること自体が「悪」なのです。

イシ先生

A.「LDL-C」はLDLコレステロールの略、「HDL-C」はHDLコレステロールの略です。
LDL-Cが140㎎/dL以上、HDL-Cが40㎎/dL未満が脂質異常症の診断基準とされていますが、その人の健康状態などによって管理目標値は変化します。

イシ先生

A.脂質異常症という病名が使用される以前は、高脂血症という病名が使用されていました。
しかし、中性脂肪やLDLコレステロールの値が高いときだけでなく、HDLコレステロールの値が低いときにも使われていたため、2007年の動脈硬化性疾患予防ガイドライン改訂に際して、脂質異常症に診断名が変更されました。

診断名の変更には、HDLコレステロールの値が低いときも注意してもらいたい、という意図があります。
健康診断の数値を見るときは、LDLコレステロールの値だけでなく、HDLコレステロールの値にも注意しましょう。

治療編

イシ先生

A.脂質異常症の治療は、生活習慣の改善が基本です。
その上で、心筋梗塞などの病歴があり、LDLコレステロールの値が非常に高くなっている人には薬での治療を行います。
しかし、薬だけの治療では意味がありません。食事や運動などの生活習慣の改善を行わないのであれば、火を消そうとしている横からガソリンをかけ続けているようなものです。

食べ過ぎない、飲み過ぎない、体をよく動かす。この3つがとても大切です。
自分の置かれている環境で最大限努力した上で、足りない部分を薬で補う、という考え方でいてください。

イシ先生

A.高カロリーのものを食べ過ぎないことです。
脂のしたたる霜降りステーキより赤身のステーキのほうがいいですし、牛肉より鶏肉のほうがいい。
鶏肉だって、手羽やモモ肉よりムネ肉のほうがいい。脂肪はタンパク質や炭水化物に比べて、グラムあたりのカロリー数が一番高いものです。
脂肪は吸収されたとたんに中性脂肪になってしまいます。

コレステロールに注意するなら、卵やマヨネーズを食べないほうがいい、と言う人もいますが、適量なら問題ありません。
卵もマヨネーズも食べ過ぎが問題になるのです。

イシ先生

A.炭水化物もタンパク質も食べ過ぎはいけません。
体の仕組みは、炭水化物を食べても、タンパク質を食べても、最終的にはATP(アデノシン三リン酸)というエネルギーを作るために使われますが、食べ過ぎると脂肪組織などに貯蔵されます。

肥満は脂質異常症に直結します。肥満に注意するために、肥満度を示す体格指数であるBMI(Body Mass Index)の値を知っておくのも一つの手です。
体重kg ÷ (身長mの2乗)で求められますが、この値が25以下になるように体重をキープしましょう。

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