2年前の大腸がんが再発。どんな治療を受けることになる?
最終更新日:2019.11.13
マンガで読む大腸がん(再発)の症例:大和田清治さん(仮名)56歳男性の場合
町工場で職人として働く大和田さん。2年前にS状結腸に進行がんが見つかり、がんを取り除く手術を受けました。周囲のリンパ節などに転移はなく、診断はステージII。
家族とも相談し、再発予防を目的とした術後の抗がん剤治療は行いませんでした。
手術後は定期的に検査を受けていたのですが、今回の検査では「腫瘍マーカー」の数値が上昇。
「再発」の二文字が頭をよぎります……。



























まとめ:再発した大腸がんの治療
- 「腫瘍マーカー」はがんがあるかどうかの目安となる検査値ですが、がんがなくても上昇することがあります。そのため、もし数値の上昇が確認された場合は、さらに詳細な検査を組み合わせて、がんの再発かどうかを確かめる必要があります。
- 再発は「手術では目に見えないがん細胞を取りきることができなかった」ということであり、がん細胞はすでに全身に散らばっていると考えられます。そのため、全身に対して作用する「抗がん剤」を使った治療が主軸となります。
- 再発を告げられた患者や患者家族は、多くの場合、最初にがんの宣告を受けたときよりも大きなショックを受けます。そんなときはつらい気持ちを無理に隠さず、カウンセリングなどを利用して医療者に相談してください。
- 化学療法(抗がん剤治療)を始める際には、手術検体や内視鏡による生検検体から、がん細胞の遺伝子検査を行うことで、その人に合った抗がん剤を使うことができるようになってきています。遺伝子の違いだけでなく、そのときの体調や置かれた状況、患者さん本人や家族の希望などを反映しながら、主治医と一緒に作戦を立てていくことになります。
- 治療方針を決めるまでには、さまざまな検査が必要になります。「その間にがんが進行するのではないか」と、もどかしい気持ちになるのも無理はありませんが、検討材料を集めるために、まずはご自身の体の状態を正確に把握するよう努めましょう。
- 大腸がんの抗がん剤治療は自宅で受けられることが増えてきており、自宅で点滴を続けるため、一時的に特別な器具を埋め込む場合もあります。自宅で困ったことがあれば、都度主治医や看護師に相談してください。
作画:よしはな
監修:横浜医療科学研究所
※症例は特定の個人の実症例にもとづいたものではなく、医師の経験から起こりうる症例を作成しています。また、本症例作成時点での情報であり、現時点での標準治療や医療機関で行われている最新治療とは異なる場合があります。