現れては消える、締め付けられるような胸の痛み。放置するとどうなる?
最終更新日:2019.11.20
マンガで読む心筋梗塞の症例:徳島秀さん(仮名)59歳男性の場合
5年前から高血圧の治療を受けている徳島さん。1カ月ほど前から、家の階段をのぼる時に、胸が締め付けられるような痛みを感じるようになりました。
安静にしていればすぐに治まるので、病院には行っていません。
しかし今朝早く、寝ている徳島さんを激しい胸痛が襲います。
痛みは我慢できないほど強くなり、病院を受診することに。















まとめ:心筋梗塞、心室細動の症状・治療
- 血圧が高い状態が続くと、知らない間に動脈硬化が進行し、血管が狭くなったり詰まったりします。これが脳で起こると脳梗塞、心臓で起こると心筋梗塞となります。動脈硬化のリスクを高める危険因子としては、高血圧のほかにも高脂血症・喫煙・肥満・糖尿病などが知られています。
- 階段をのぼったりするときに胸の痛みを感じる場合、心臓の筋肉に血液を送る血管がすでにかなり狭くなっている可能性があります。放置すれば完全に詰まって心筋梗塞になることもあるので、早めに循環器内科を受診してください。
- 心筋に血液を送る血管が詰まると、酸素欠乏で心筋が傷つき「心室細動」という不整脈が起こることがあります。心室細動が起こると心臓は細かく震えてきちんと収縮せず、血液を全身に送り出せないため、命にかかわります。心筋梗塞は、発症後1時間以内に亡くなる人が半数であり、その原因のほとんどは心室細動のためであるとも言われています。(※1)
作画:よしはな
監修医師:横浜市立大学教授・医学博士/石川 義弘
※症例は特定の個人の実症例にもとづいたものではなく、医師の経験から起こりうる症例を作成しています。また、本症例作成時点での情報であり、現時点での標準治療や医療機関で行われている最新治療とは異なる場合があります。