「念のために」と受けた内視鏡検査でがんが発覚
最終更新日:2018.5.28
60代/男性
大腸がん
患者プロフィール
65歳男性。今までは特に病気を指摘されたことはなかった。受診までの経緯
最近になって友人が大腸がんになったことを知り、自分も不安になった。近くのクリニックを検査希望で受診して、下部消化管内視鏡(大腸カメラ)検査を行うことになった。
診察・検査
大腸カメラでは、直腸に15mmほどのポリープが見つかったため、一部を採取して顕微鏡で検査(生検)することになった。1週間後、外来で検査結果を伝えると医師に言われ、その日は帰宅した。
診断・治療方針
1週間後に再度受診。詳しい検査の結果、大腸がんとの診断であった。内視鏡で切除すれば、完全に治療できる可能性が高いとのこと。内視鏡での治療は開腹手術に比べて切除する範囲が狭いので、体への負担は小さい。
また、手術後の抗がん剤も不要と判断された。
手術までの間は、なるべく刺激の強いものを控え、消化のよいものを食べて過ごすようにと言われ帰宅した。
治療の経過
内視鏡手術を行うためには腸をきれいにする必要があるので、手術の前日からは、消化のよいものを食べ、繊維質などを含むものは食べないようにと指示された。病院に着いてからは、看護師に渡された下剤を数回に分けて飲み、便が透明になるまでトイレに通った。
内視鏡手術は無事終了。当日は点滴から栄養をとったが、2日目からは口から食事をとれるようになり、3日後には退院することができた。
退院後、1カ月ほどはなるべくさっぱりした食べ物をとるよう心がけていたが、おなかの調子が悪くなることもなく、普通の生活を送ることができている。
手術で取り除いたがんを詳しく調べたところ、粘膜内にとどまる早期の大腸がんであり、追加治療は不要とのこと。
手術の半年後には、大腸カメラで再検査することになっている。
※症例は特定の個人の実症例にもとづいたものではなく、医師の経験から起こりうる症例を作成しています。また、本症例作成時点での情報であり、現時点での標準治療や医療機関で行われている最新治療とは異なる場合があります。