3年前に高尿酸血症と指摘。腎機能も低下していた
最終更新日:2018.5.28
患者プロフィール
43歳の男性。会社の健康診断で、3年前から高尿酸血症を指摘されていたが、多忙なため通院の時間もとれず、そのままにしていた。1カ月前に受けた健康診断でも尿酸値が高く、9.0mg/dLであった。
受診までの経緯
2日前から急に、左足の親指の付け根がチクチクと痛みだした。以前にも同じ部位に同じような痛みが起きたことがあったが、そのときはすぐに痛みがひいた。
しかし今回はなかなか治らなかったため、不安になって受診した。
診察・検査
待合室で体温を測ったところ、37度だった。診察では、左足親指の付け根が少し腫れていて赤みもあり、炎症が起こっているようだと言われた。以前同じ部位に同じ痛みがあったことを考えると、痛風が疑わしいとのことだった。
血液検査と尿検査を行った結果、血液検査では、炎症が起こっている場合に高くなるCRPという数値が3.7mg/dLと高値であり、痛風の場合に高くなる尿酸も8.3mg/dLと高くなっていた。また、腎臓が悪いと高くなるクレアチニンが1.7mg/dLと高値だった。
診断・治療方針
検査結果から痛風と診断された。痛みをとるために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を処方された。1週間程度で痛みは良くなるそうだ。
痛風を治す治療は、痛みが治まってから行うとのことだった。発作が治まる前に尿酸の生成を抑えたり排せつを促したりする薬を飲むと、血中の尿酸値の値が安定せず、発作が長引いたり、再発のもとになるとのことだった。
発作の様子を見るため、2週間後にまた診察に行くことになった。
治療の経過
診察から1週間程度で、痛みはほとんど気にならなくなっていた。2週間後の診察では、発作が終わっており、痛風を治す治療を始めることになった。尿酸値も高く、腎臓の機能も低下しているため、尿酸の生産を抑えるアロプリノールという薬を飲むことになった。
また、発作が再発したときのために、コルヒチンという薬も一緒に処方してもらった。これを発作が起きそうなときに飲むと、発作を抑えられるとのことであった。
その後、1度発作の再発があったが、コルヒチンを飲むことで痛みを抑えることができた。
尿酸の生産を抑える薬は継続して服薬しており、薬がなくなると診察に行き処方してもらっている。尿酸値は最適な値を維持しており、今後もなんとかこの病気と付き合っていけそうだと感じている。
※症例は特定の個人の実症例にもとづいたものではなく、医師の経験から起こりうる症例を作成しています。また、本症例作成時点での情報であり、現時点での標準治療や医療機関で行われている最新治療とは異なる場合があります。
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